電力自由化

電力自由化でどう変わる?

2016年4月からの実施が決まった、電力自由化。これに対し、深く関係のある消費者はどの程度まで認知しているのでしょう。

電力自由化に対する消費者の意識

新電力

2016年4月からの実施が決まった、電力自由化。これに対し、深く関係のある消費者はどの程度まで認知しているのでしょう。

 

まず、「電気の小売自由化について、どの程度認知しているか」という問に対し、約7割の回答者が認知はしているが、深くは知らないという結果に。特に、若年層では認知度が低かった結果になりました。

 

次に、「電気の小売自由化がどの程度社会にとって重要か」という問に重要という考えをもつ回答者は57%。概略の説明を行った上で、再度質問を行うと、重要性の意識が高まり、63%もの回答者が重要と考えました。また、電気の小売自由化について理解が深い人程、重要と答える傾向がありました。

 

また、「電気の小売自由化を進めるべきか」という質問も、理解している人ほど進めるべきと回答していました。

 

「電気の小売自由化について、何に期待し、何に不安か」という問では、電気料金の抑制を期待する回答が多い結果に。不安な事項では、逆に電気料金が高くなるのでは。という期待と正反対な回答が多くあがりました。

 

「電気の小売自由化がされたら、電気を購入する電力会社の切り替えを検討したいか」という問に、過半数の回答者が検討意欲を見せました。また、今後電力会社を選択する場合に1番重視することは何か」という質問に、料金水準という回答が1番多く見られました。

 

最後に「電気の小売自由化について今後どのような情報が欲しいか」という質問に、電力会社間の比較も含め、料金メニューに関する回答が1番多い結果となりました。

 

密接な関係にある消費者が、これからの出来事に関心を持つことは、とても大切なことですね。


日本の電力自由化の経緯

2016年から大きく実施されることが決まった電力自由化。このことから、新聞やテレビでもよく目にするようになり関心を集めていますが、いったいどのような経緯をたどって今現在の状態に至ったのでしょうか。

 

始まりは1995年の電気事業法改正です。この時の改正では、電力を供給する事業に独立している発電事業者の参入が可能になり、電力会社や卸電力事業者以外からも電気を購入することができるようになりました。また、他の電力会社に送電する「卸託送」の規制も緩和されました。

 

次に起こったのは1999年に起こった、新たな電気事業法改正です。ここでは自由化の範囲が小売りへ拡大されたことが特徴です。対象となったのは、電力を大量に必要とする大規模工場やデパートなどで、電気の使用規模が原則、2000キロワット以上の「特別高圧」と呼ばれる顧客向けの小売り電力でした。

 

この結果、PPSの新規参入が可能となりました。PPSは自由化の新たな取り組みとして電力供給の仕組みに組み入れられ、電力の売り込みなど実際のビジネスを活発に行うようになりました。安定した電力が得られないという電力供給のことについても、十分な電力供給ができない場合に地域電力会社が顧客へ供給する電力を肩代わりする、「バックアップ」という規定で補われました。

 

さらに2003年の電気事業法改正では、2004年から2005年にかけて小売りの範囲が拡大し、契約規模が50キロワット以上の「高圧」部分の顧客に広がりました。これにより日本の電力供給量の約6割が電力自由化の対象となったのです。
このようにして、電力自由化は長い年月をかけて今、実現されようとしているのです。

電力自由化についてのアメリカの先例

電力自由化があと1年に迫り、日本国内でさまざまな動きを見せています。実はアメリカや、イギリス、フランスなどといったヨーロッパ諸国では、既に電力自由化に踏み切っていました。

 

1990年代に電力自由化が進展したアメリカ。多くの州が電力小売り全面自由化が導入されることになりましたが、もたらされたものはいいことだけではありませんでした。

 

2000年の夏から翌年にかけて、カリフォルニア州で停電が頻発する事態が起きました。理由は、電力会社が十分な電力を確保できず、消費者への電力供給の不足にありました。そのきっかけとなったのは、電力需要の拡大と天然ガス価格の上昇、猛暑の影響による電力卸売価格の急上昇などでした。

 

経営悪化で、代金が回収できなくなる懸念のある電力会社へ電力を売り渋るようになり、さらに状況は悪化。その結果、電力会社は大規模な停電を引き起こす結果になったのです。

 

カリフォルニア州で起こった電力不足は、需要と供給によって値段が頻繁に変わる市場原理へ過度に依存したことや、小売り価格と卸売り価格との逆ザヤ発生時への対応方法の準備不足など、制度設計上からのミスも原因の1つと指摘されています。

 

アメリカのカリフォルニア州電力危機以降は同じ事態が起こることを恐れ、導入する州は少なくなっており、自由化の動きは停滞しています。こうした海外の状況を知ったうえで、日本がいかに電力自由化や発送電分離を実現し、問題を乗り越えるのか世界から注目されているのです。


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